[大学の授業の単位を揃えて貰う]

 大学の授業も面白いのは面白いが、つまらないのはとことんつまらない。
しかしそ んな授業でも取得しないと卒業出来なくなってしまう、大学生が抱える潜在的な悩み を君もまた共有している一人なのだ。
君はその旨を『天使』に告げることにした。
「と、ゆー訳でつまらん授業をどーにかしたいんだ」 「分かりました」  やけに物分かりよく『天使』は頷くと懐から件の安っぽいステッキを取り出した。
陳腐な電飾が施されいかにも一昔前の魔女っ娘が使っていたような代物だ、材質は塩 化ビニルと一目で分かる。『天使』はそれを上に掲げると舌を噛みそうな呪文の羅列 の後にステッキを地面に突き刺す。
 一秒経過。  二秒経過。  果たしてどのような対応をすればよいかと皆が思案した頃、市内の各所から巨大な 紅蓮の火柱が上がった。
悲鳴と絶叫が君の周辺まで届いてくる。
「な、何があったんだ!」 「つまらない授業をどうにかするという願い事でしたので、つまらない授業を行う教 師全員を地獄の業火に晒すことにしました。
サービスとして中学校や高校の教師も同 罪としました。」 「同罪としました。じゃねーよ、大量虐殺じゃねーか!」 「はあ、私の得意分野は破壊と殺戮ですので…ともかく願い事は叶えましたので心豊 かに年末を過ごして下さいねー」  『天使』はそう言うと空の彼方へと飛んで消えていった。
残されたのは炎の渦に飲 み込まれた松本の街と、逃げ場を失って泣き叫ぶ君の姿だった。

UNHAPPY END

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