[某作家が締切を破ること無く作品を書き上げられるように頼む]

 そうだ、こういう非常識な状態だから突拍子もない願い事を叶えて貰おう、君はそ う考えると迷うこと無く『天使』に願った。 「お願いだ、栗○薫の新作を毎月読ませてくれ!」 「hっ」  何故か『天使』は言葉に詰まらせた。
「栗○薫が駄目なら田中芳○でもいいぞ、いいや火浦○も捨て難いな!」 「…ぐっ」  あからさまにうろたえて『天使』は後ずさる。
「笹○祐一か、いやいやコミックというのもあるな。
○原一至とか高河○んの物語を 全て完結させて欲しいとか、永○護の執筆のペースを今の5倍の早さにして欲しいと か!」 「そ、それは…その、私達にも…」 「まさかあれだけデカイ口叩いておいて、出来ませんの一言はないよなあ」
「hっ」
 いつの間にか『天使』は目一杯に涙を浮かべ、そのまま空を飛んで行ってしまった。
「私達にも出来ないことはあるんですぅーっ!」  そんな捨て台詞を残して『天使』は消えた。
君は何となく拍子抜けして空を仰いだ が、北風が冷たく頬を撫でると君は軽く身震いして、何事もなかったようにその場を去った。

 END

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