[目の前から消えてもらう]

 君はあれこれ考えたが、願い事は特に思いつかなかった。
金が無いという現状は自 分にも原因がある、まして年末を心寂しく過ごす原因は金だけの問題ではない。
他力 本願というのも君の性には合わなかったし、何より『天使』の存在は不気味だった。 「消えてくれ、俺の目の前から」  あっさりと、何の未練もなく君は言い放った。 「とっとと元居た場所に帰ってくれ、早く」  その時である。
 言葉にならない絶叫と共に『天使』は炎に包まれた、美しい女性の外見は名状しが たき怪物に変化し凄まじい悪臭と共に見る間に炭化して地面に崩れ落ちる。『天使』 が居た場所のアスファルトが少し融け、周りの人間も喉に痛みを覚えて軽くせき込ん でいるがとりあえずは無事のようだ。
「…あれが最後の『天使』とは思えない。第二第三の…」  そのような台詞を吐き始めた通行人を蹴倒しつつ、偶然とはいえ何やら超次元的な 敵を撃退したことを君はようやく理解した。
しかし油断してはいけない、いつまた第 二第三の…(ナレーション、他の通行人に蹴倒されてしまい途中退場)

  HAPPY END

・最初からゲームをする