そう告げると『悪魔』はひどく悲しそうな顔をした。
「…そうですよね、ハンバーグとかカレーライスのために魂捧げるなんて滅多にいな
いですよね」 「まあ落ち込むなよ」
涙を溜めながらも必死に堪えている『悪魔』の頭をぽんと軽く叩く。
「願い事は叶えて貰う必要はないが、それくらいの精気ぐらいくれてやるって言って
いるんだ。
お前だって精気吸わなければ生きていけないんだろうし、今更見捨てる気
も無い。
暇な時の話相手になってくれたり、遊び相手になってくれればいい」
「…犬とか猫と同列ですか」 「番をしてくれる分だけ犬は役に立つし、気を遣わない分だけ猫は楽だ」。
「帰る場所も ないようだから部屋に置いておくけど、炊事洗濯以外の特技覚えて早く一人前になれ
よ?」
「はいっ」 と、『悪魔』の少年は元気良く答える。
つくづく悪魔に向いていないと思いつつも、ふと君はある疑問を思うに至った。
こいつはどうやって精気を吸収するのだろうか?
出来れば18禁な手段ではないことを祈りつつ、君は新しい家族との新年を迎えるの
だった。